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チームはすごい苦労するものだという先入観があったけど、学びも多く、意外にいけた

「トイレの神様」の開発者でもある土井伸洋さんは、二度目のMA(MA2016)での目標の一つに「外部の人とチームを組む」というものがあったそうです。そして、無事それを達成し、さらには2年連続のファイナリストにまで勝ち上がりました。
土井さんが話してくれた「チームとしてうまくいった要因」は、「外部の人とチームを組んでみたい!」と思っているエンジニアの方には、とても参考になるかと思います。

このレポートは、MashupAwardsの受賞者が多数出演し、開発秘話などを語るイベントである、「MashupSummit (マッシュアップ・サミット)2017 in FUKUI 」の後編になります。
毎年2月に行われているこのイベントは、MashupAwards受賞作品の裏側の話を中心に、作品発表のイベントでは聞けないことばかりなのでいつも楽しみにしています。
主催はMashupAwards事務局ではなく、ふくい産業支援センターさんです!(ありがとうございます)

今回のイベントで、開発秘話を話してくれたのは、以下の5つの作品です。
YouTubeの映像と連動したマッシュアップ作品を簡単に作れるJavaScriptフレームワーク by栗原さん
どこでもMステ by上坂哲教さん&加藤公徳さん
なんとかめーかーりある by高瀬里奈さん
トイレの神様 by青島英和さん&土井伸洋さん
窓の守 by三崎雅史さん&永宮正陽さん
そして、開発秘話以外にも、伴野さんから「MashupAwards2016総括」の話もありました。

前編の「斜め上の発想のために大切なたった3つのこと」は栗原さん特集にしてしまったので、後編である本編では、「どこでもMステ」「なんとかめーかーりある」「トイレの神様」「窓の守」の4つの開発秘話と、伴野さんの話を中心にレポートします。

 

オープニング (+どこでもMステ開発秘話)

今回のイベントのプログラムを見ると、オープニング、クロージング、交流会の登壇者が全て「上坂哲教!!」何者なのか???
そう。この人こそ、MA2016決勝で大トリをつとめ、笑いを全部持っていった「どこでもMステ」の発表者です。

オープニングは登壇者全員が舞台に上がる…はずが、何故か「トイレの神様」チームが忘れられるというハプニング。このぐらいのハプニングはあったほうが面白いですねw。
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そして、上坂さんは、このオープニングの時間をつかって、自分の作品も紹介しちゃいます。

■作品名「どこでもMステ by ’90Jpopers

この作品は、思いつきで作られ、関西予選の2日前にメンバーに声をかけ、関西人でもないのに関西予選を突破し、決勝に進出し、決勝で一番ウケるという偉業(?)を成し遂げた作品。
「この写真をみると、誰もに楽しんでもらえた作品を作れたんだなーっと感じることができて、とても好きです。とにかく、楽しいことをしたくて作りました」(上坂さん)

関西予選の2日前にメンバーに誘われた加藤さんは、MA2016をこう振り返ります。
「開発者としては、赤いカーペットの脇をLEDで光られ、スターが歩く花道を作りました。突然 “一緒に組もう” といわれ、できたことはハゲヅラの購入でした」(加藤さん)

ノリで作ってしまったものが勝ち上がってしまうのもMashupAwardsの一つの特徴。技術力と同じぐらい、人を楽しませる空気や、いままでにない可能性が大切にされるコンテストだからなのだと思います。
アウェイである関西で勝ち残ったこの作品ですが、その関西予選に参加した人たちがファンになり、応援していた気がします。「いい作品」であれば、ライバルすら応援しているのもMAのいいとこ。

 

「他人にアイデアを否定されたら喜ぶべき」 by伴野さん

そしてお次は、MasupAwards事務局長である伴野智樹さんから 「MashupAwards2016総括」についてです。まずはMashupAwardsの説明から。
―日本最大級の開発アプリコンテスト
―異種格闘技戦のような、お祭りのような、大人の青春
―モノづくりをするエンジニアに楽しんでもらえるアワード
―最もモノづくりを楽しんだ人が勝つアワード

「MAは、イノベーションサイクルの、技術的イノベーションの先にある創造的イノベーション部分だと思っている(伴野さん)」とMAとしてのポジションについて語りました。

「作品を応募して発表すると、誰かの目に触れて、興味を持ってもらえ、普段触れ合えない人と触れ合うきっかけになるので、作ったらどんどん発表して欲しい(伴野さん)」と想いを伝え、何より伝えたかったのは、きっとこの部分
「ひょうたんからこまという言葉がありますが、遊びで作ったものがビジネスになることだってあります。MAはまず作ってみることを大切にしていきたい(伴野さん)」

そして、毎年恒例の、寒い国の狂った作品紹介です。
どこでもMステ・・・いつでもどこでも、Mステのステージにはやがわり
ふるなび(北海道の作品)・・・テニスラケットの打ち方で、今日のオススメ店舗が検索できる
Internet of Tairyoku・・・筋トレをしないと動画がみれない(Internetができない)
すべてが寿司になる・・・ブラウザで開いたサイトの全ての文字が寿司になるChrome拡張機能

ふるなびでも、Intenet of Tairyokuでも「普通に検索しろよ」とか「なんてくだらないw」って思いますが、
「優れたアイデアほど、思いついたときはくだらなく感じる。他人にアイデアを否定されたら喜ぶべき」
っとどこかの偉い人がいっているそうです 。だからこそ、
「どんなくだらないアイデアでも形にして、誰かに伝えていって欲しい(伴野さん)」
そんな言葉を最後に、話を締められました。

 

開発秘話 (なんとかめーかーりある|トイレの神様|窓の守)

受賞者セミナーとして、ファイナリスト3作品について、5名から開発裏話も発表されました。

■「発表をきっかけにいろんなひとに遊んでもらえた!」by高瀬さん
作品名:「なんとかめーかーりある」)
 

この作品が産まれてきっかけは、1年生の時のプログラミングの授業の発表会。電子工作で作る、ブロックを積み上げる…そんなキーワードをもちながら、何かを作りたいと思ってこの作品を作ったそうです。
電子工作もほぼ初めてで、センサー制御もとても苦労し、とにかくググってググって作り、1日1つ、60日かけてはんだ付けしたり…。そして、その作品をMAに応募したのは、いろんなひとに葉っぱをかけられたから。
デモビデオを作り応募に臨み、学生部門賞決勝に見事通過。その通知がきてから、バージョンアップをがんばったそうです。苦労したのは攻防戦のゲームバランス。
部門賞決勝は、光の関係でデモがうまくいかず敗退。しかし、U-23賞に選ばれ2ndSTAGE(準決勝)に進出でき、そこで2位を獲得し決勝に進出。部門賞決勝でもらったアドバイスや失敗を反映し、準決勝に挑んだとのこと。

もともと「単純にわいわい楽しめるものにしたい」と思って制作したため、決勝で審査員の人が楽しそうにプレイしてくれたのがとても嬉しかったそうです。
初めて大きなコンテストに応募したとのことですが、発表をきっかけにいろいろな人に遊んでもらえ、そのつながりで福井に呼ばれ、大好きな日本酒も飲め「応募してよかった!」と笑顔でした。

ちなみに、事務局として何よりうれしかったのはこちらの、とある研究室の一角の写真でした。

来年、ここのもう一つトロフィーを並べる猛者をお待ちしております。

 


■「最後の最後で “神の人格を作ってみたい” と思った」
 by青島さん
(作品名:トイレの神様)
トイレの神様は、神様担当の青島さんと便座担当の土井さん二人のチーム。まずはじめは、青島さんから。

はじまりは9月のロボットハッカソン。その時に
・旦那が毎回便座を開けっ放しにする
・おじいさんが一人で使うの心配
・深夜に誰かがトイレに通ってる
みたいな悩みを「便座デバイス+見守りAI作品」として制作。当時はPepperがトイレにいる形でしたが、審査員の人に
・Pepperがトイレにいるとじゃま
・Pepperのカメラはプライバシー的にどうなの?
・利用者の特定できないよね?
といわれ、この3つの課題に対応すべく、便座担当と神様担当でわかれ開発をすすめたそうです。
青島さんは神様担当で、便座から送られてくる様々なデータをもとに、いろんなAPIとつなげる役割です。

IoT部門賞に進出したものの敗退。しかし、テーマ賞として2ndSTAGE(準決勝)に進出し、見事決勝まで進出しました。こちらの作品も部門賞決勝で指摘されたことを活かし、準決勝ではポイントを一つに絞り発表。実は準決勝を目指していたこともあり、準決勝への準備でやりきった感があったとのこと。
しかし、最後の最後で「神の人格を作ってみたい」と思いたち、ゲーテの名言集をくわせ、音声はサンタの声にし、語尾に「のじゃ」をつけ、最後にNOBYYYYYYを搭載し、決勝に臨んだそうです。

■「トイレの個人特定は狙って作ったのではなく、やっていて気づいた」 by土井さん
(作品名:トイレの神様)


この作品を作る際、「老人ホームでは、お年寄りがトイレで倒れて骨折して放置される」ということが本当にあるという話を聞き、 「そんな時に警告をだせないだろうか?」と考えたとのこと。また、大垣ハッカソンで指摘された「トイレにだれがはいったのか?問題」を、「プライバシーを守りながらどう実現するのか?」にこだわり、作品を作り込んでいったそうです。トイレの神様は、トイレの個人認証が高く評価された作品でしたが、 最初は着座の判定や、長く座り過ぎかどうか?ぐらいの判定を目的として検証していました。けれど、検証していくうちに個人認証ができると途中で気付いたそうです。
「トイレの個人特定は狙って作ったのではなく、やっていて気づいたものです!」(土井さん)

トイレで取得した実際のセンサー値を見てみると意外と変化に富んでおり、「分類できるのでは?」と気付き、会社の同僚相手にデータを採取し、個人認証できることを確認。そして実機に作り込んだそうです。
実はその気付き、前回のMA作品(なりきり2.0)で得た知見が役に立ったみたいです。
この “作ったものから何かが見えた” という流れは、まさにMAがものづくりを世の中に広めたい動機そのものです。
そして、「2回目のMAでの目標」へと話は移ります。今回は、以下の3つを目標にMAに挑んだそうです。
①2ndSTAGE(準決勝)でビールを飲む!
②外部の人とチームを組む
③ネタに頼らずやりきる
一つ目の目標は、前回の準決勝は発表が最後で他の発表を楽しめなかったため、今年も準決勝に勝ち残り、そこでビールを飲んで他の作品を楽しく観覧すること。(土井さんも準決勝が目標だったんですねw)
2つ目の目標は、青島さんとのチーム参加で達成できたとのこと。チームはすごく苦労するものだという先入観があったけれど、最終的な感想は、学びも多く、意外にいけたそうです。しかし、うまくいったのは次の3つが揃っていたから→「1.近くに住んでいたこと/2.専門分野が違うこと/3.熱量が同じぐらいあったこと」。専門分野が違うと、 苦手なところを全部任せられ、自分が得意なところは全部任せてくれるので集中できます。熱量が同じだと、いわなくてもやってくれるし、さらには励まされます。 ある日突然、AI音声がパワーアップしていたり、音声がサンタの声になっていたことに励まされたようです。
最後は、昨年は「ネタだけでエンジニアとして評価されてなかった?」という想いがあったため、エンジニアとして挑戦したかった想いがあったとのこと。
そして、MAに対しての想いも話してくれました。
「馬鹿なネタでもマジなネタでもみてくれるMA大好き。 モノを作るということについてすごく考えさせられました。 “頭で考えてわかるなら、ものは作らなくていい”。作って発見できることはすごく多い!」
最後の言葉は、MAの決勝で「言葉で伝わるなら、ものは作らなくていい」といっている人の言葉を引用しているそうです。


■「MA2016終わっても作品のバージョンアップしたよ!」by三崎さん&永宮さん

( 作品名:窓の守

こちらの作品は、福井のハッカソンで中学3年生の三崎さんの「外出中の急なアメで自動で閉まる窓があったらいいな」というアイデアを形にしたもの。実はコンテストが終わってからもバージョンアップしたとのこと。バージョンアップ内容は以下になります。
①窓のマイコン:Auduino→Raspberry Piにし、窓の開閉のタイムラグはほぼ1秒ほどに
②センサー:MESH→BUFFALO cameraにし、顔認識で窓の開閉可能
③iOS application:swift2.3→swift3.0に
④LINE通知:メッセージで窓の開閉可能
コンテストが終了してからも、作品をバージョンアップしているモチベーションについては、「 勉強のため。そして、窓の調子が悪くて悔しかったので」とのこと。今回見せてくれたデモでは、窓の開閉がとても早く改善されていました。

 

以上で、開発秘話のお話は終了です。

みなさまお疲れ様でした!!そして、ご応募ありがとうございました!
また来年も楽しみにしてます。

 

イベント関連リンクこちらをみていただくと、イベントの盛り上がりがより伝わるかと思います!
●つぶやきまとめ(togetter)
https://togetter.com/li/1080430

蛇足

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このイベント、本来はMashupAwards事務局がやるべきイベントのはず!!(大西さん、河野さん、本当に毎年ありがとうございます!!)
でも、でもですね、MA2017からは、もうすこしみなさまが参加しやすいイベントを開催しようかと目論んでいます。その時に、この福井のイベントをパクらせてもらえないか?なんて密かに思っております。
もっといろんな作品の開発秘話が聞きたいから!(現在そんなイベントを計画中)

 

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